落語の話はどこからでも始まる

定年間近なサラリーマンが落語のことをあれこれ書きます。

柳家花緑師匠の「中村仲蔵」はこんな時こそ聴きたい噺だった!

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昨日のCOREDO落語会の余韻に、まだ浸っております。

 

桃月庵白酒師匠の「松曳き」、柳家権太楼師匠の「唐茄子屋政談」、いずれも素晴らしかったんですが、特に印象に残っているのは柳家花緑師匠の「中村仲蔵」。

 

先月の師匠の独演会で、この噺に言及されてました。5月の末広亭主任の際の千秋楽が、「中村仲蔵」だったとのこと。というわけで聴きたかったんですよ、花緑師匠の中村仲蔵

 

実在の歌舞伎役者である中村仲蔵を描いた噺です。仲蔵の苦悩や努力を描く「歌舞伎いい話」という感じで、語られることが多いように思います。


そんな中、花緑師匠はこの噺を、夫婦の愛情とか絆、そういうものの尊さというテーマで描いていると感じました。女房の存在が大きいのです。

 

辛いとき苦しいときに、寄り添ってくれる人がいる喜び、嬉しさ。

 

どんよりとした状況が続く今だからこそ、多くの人に響くと思います。芸談を普遍的なテーマに昇華させた、と申しましょうか。

 

そう考えると、昨日の師匠のサゲはとても秀逸という気がします。

 

この噺のサゲはいくつかあるようですが、昨日のサゲは初めて聴きました。ひょっとすると、花緑師匠オリジナルなんでしょうかね。

 

だとすると、ブログに軽々に書かない方がいいような気もします。だから書くのは遠慮しときます。テーマにぴったりの、いいサゲですよ!

 

柳家花緑

#COREDO落語会