神保町で昇也師匠と吉好さんの落語を聴きました。
会社から歩ける距離で落語が聴けるのはありがたい。落語カフェ、かるた亭、神田連雀亭とありますから。
そんなわけで、今夜は奥野カルタ店の2階でやってるかるた亭へ。ここは、春風亭昇也師匠がレギュラーで、そこにゲストが加わるという形です。
今夜のゲストは、もうすぐ真打の春風亭吉好さん。来月のゲストが、同じく今年5月に真打になる柳亭明楽さんらしいので、そういう人を積極的に呼んで、披露目のチケット販売に協力してるのでしょう、昇也師匠。優しい!
改めて気づいたことですが、この会、マイクなしの肉声です。昇也師匠はいつもより大きな声で「長屋の花見」をやってました。
仲入り後の吉好さんは新作。結婚している娘が「離婚したい」と実家に戻ってきて、という噺なんですが、ご自身の作なのかしら。話の流れがオーソドックスなので、以前からある作品なのかも。
この会、冒頭に評論家の長井好弘さんのお話がありまして、これも勉強になるのです。ただ、今回は昇也師匠との対談に。これも面白かったなあ。次回からは、冒頭に長井先生のお話、で最後にお二人の感想戦、というのをお願いしたいですが、これだとご負担が大きすぎるだろうなあ。
#春風亭吉好
真打昇進目前の立川こはるさんの「芝居の喧嘩」が素晴らしかった
会社帰りに新宿に出て、立川こはる独演会を見てきました。
こはるさんといえば、今年5月に真打に昇進することが、昨年秋に発表されました。
そして披露興行が10月に、有楽町の朝日ホールで開催されるとのこと。5日間10回です。
その披露目の落語会、見てみたいなあ。
でもチケット争奪戦がすごいことになるんだろうなあ。
と思っていたら、独演会で先行発売するという噂を聞きまして、今夜の独演会に向かうことにしたのです。
正確に言うと、先日の秋葉原やきもちの勉強会で、そんなことをおっしゃってました。
朝日ホールのキャパは約600。
10回ですから6000枚出るわけですが、そのうちの2000枚をこはるさんが持っているそうです。
(と、今日の高座で言ってました)
チケットぴあでの発売が6月くらい、とのことで、それまでにこの2000枚、手売りで完売するつもりなんじゃないかしら。
私も思わず2枚買ってしまいましたが、並んでいると5枚買っている人もいて。
今日が先行発売初日だと思うんですが、100枚以上は売れたんじゃないかしら。
それはともかく。
本日の演目は「まんじゅうこわい」「芝居の喧嘩」「富久」の3本。
女性落語家の場合、本来、男性が演じること前提でできている落語をどう演じるか、という問題が常について回ると思うのです。
女性ならではの視点で作り直したり、
女性視点の新作を作ったり、
可愛らしさを全面に出したり。
中には、そういったことを意識させずに、シンプルに落語として楽しめて、後から「あ、女性落語家だったんだ」と思うような、そんな落語家さんもいます。
私の中では、その筆頭がこはるさんであり、噺に入ってからの春風亭一花さんもそのラインである、と位置付けしてます。
立川こはるさんは、少年のような見た目と低めの声で、落語の世界にスッと入り込めます。
今夜の演目でいうと「芝居の喧嘩」が素晴らしかったです。この噺、啖呵を切るシーンが何度か出てくるんですが、違和感なく、むしろかっこよく、聴けました。あの啖呵は、こはるさんの武器だろうなあ。
というわけで、秋の披露目の会が楽しみです。
幇間の久さんのように、チケット2枚、大事に保管しとかなくちゃ。
あ。写真は真打昇進を大師匠・立川談志の墓前に報告するこはるさんと、談春師匠。こはるさんはもちろん左です。
「好楽イズム」で兼好師匠の新作とぽん太さんの古典を堪能した夜
ややや。
10日以上更新してない!
やはり、落語会帰りの地下鉄で更新しなきゃダメなのかしら。土日にまとめて、というのは難しいなあ。
というわけで、落語会の帰りに書いてます。
本日見に行ったのは、「好楽イズム」。
三遊亭好楽のお弟子さん4人の会で、好楽師匠が出演するわけではありません。
明るい高座で大人気の兼好師匠。
顔はゴツいけれど噺は面白い好の助師匠。
もうすぐ真打に昇進するとむさん。
名前は可愛いけど本寸法の古典のぽん太さん。
実に個性的なメンバーです。
今回、特に印象的だったのは、兼好師匠とぽん太さん。
兼好師匠、新作落語もなさるんですね。
左甚五郎の末裔と雪舟の末裔によって作られたネズミが本物のネズミになって、という噺。
猫も出てくるんですが、その動きが可愛くて、
そしてそれを抱っこする飼い主の動きも絶妙で、「すごく稽古してる?」と衝撃的でした。
(新作落語ということで演目不明です)
ぽん太さんはトリで、「鼠穴」。
これが実に見事でした。直前が、兼好師匠の爆笑新作ですよ。その空気をガラリと変えて、あのなんとも怖い噺の世界へ。かなりの力量をお持ちなのでは、ぽん太という名前とギャップありすぎなのでは、と思いながら聴いておりました。
開演前後に4人のトークもありかなり楽しい会でしたが、一番びっくりしたのは、前回よりもお客さんが減っているらしい、という事実。
こんなにいい会なのに、なぜ?
そもそも、そんなに広い会場ではないのです。
キャパ60人くらい。
そこをゆったり使ってましたからねえ。
次回はもう少し、増えてほしいなあ。
だからといって、チケットが取れなくなっては困るんですけどね。
立川吉笑春風亭昇咲二人会は楽しすぎる2時間半でした。
(今回のは長いです)
今夜は、会社帰りに高円寺へ。
「立川吉笑のギミックメイカーズ」を見るためです。
落語におけるギミックというのは、吉笑さん独自の表現のようです。ご本人のかつてのブログによれば、
ギミック(仕掛け、アイデア、新しい視点、発明性のどれか)
とのこと。ストーリー性とか登場人物のキャラクターでなく、ギミックで話を引っ張っていきたい、ということのようです。
そんな吉笑さんが、この会について説明している文章もありまして、
「高円寺演芸まつり2023の一環で、
春風亭昇咲さんと初めての二人かいを開催します。
現在落語論で自分の作る落語について
「ギミック」という切り口を提示しました。
あれから数年が経ち、
ついに自分と同じ志を持つギミックメイカーが登場しました。
そんな二人の会です。」
つまり、昇咲さんは吉笑さんと志を同じくする新作落語の人らしい。これは行くしかないでしょ、というわけです。
最初の説明でびっくりしたんですが、1人三席都合六席。それにトークも。濃い落語会だわあ。
後半のトークで、吉笑さんの創作ルール的なことがちらっとでてきました。
「コントになるものはやらない」
「メタ構造はやらない」
前者、新作落語とコントの違いが私にはよく分かってないので正直ピンと来てませんが、吉笑さん(と昇咲さん)には基準のようなものが見えてるのだと思います。
後者は、安直に笑いが取れるから嫌だ、ということみたい。特に落語家が主人公のもの。
そんなわけで、昇咲さんの「落語家撲滅法案」には厳し目でした。
あと、昇咲さんが始めた勉強会でネタおろしをしなかったことにも、苦言を呈してました。聞き手としてはそういうのが聴けるのも実に面白いんですが、昇咲さんにはなかなかハードな時間だったかも。
本日のプログラムと、ギミックを書いておきます。ギミック、私の判断ですので違ってるかもですが。
立川吉笑 逸材(○年に1人の逸材、という表現を究める)
春風亭昇咲 素晴らしき日本語の世界(文字が見える世界)
仲入り
昇咲 落語家撲滅法案(タイトル通りです)
吉笑 tion(新型花粉症と体のツボ)
昇咲 ぬ(ぬという一文字が使えない世界)
トーク
吉笑 小人十九(上方言葉と江戸言葉)
どの噺も面白かったなあ。「落語家撲滅法案」、私は好きだなあ。
昇咲さんにそこそこ厳しいことを言った直後にどんなネタをするのかしら、と思って聴いた「小人十九」。これはかなり面白かったです。やはりすごいわ、吉笑さん。
というわけで、気になる噺家さんがまたひとり増えました。昇咲さんの勉強会、行かなくちゃ。
#立川吉笑
#春風亭昇咲
会社から徒歩5分で立川寸志さんの落語を聴ける幸せ
先週の土曜日に行ってきました、午後のぶらり寄席。
立川寸志さんがやってらっしゃることは、結構前から知ってました。
というのも、会場のカフェが神保町の靖国通り沿いで、弊社のすぐ近く。歩いて5分じゃないかしら。
土曜の休日出勤の時に、靖国通りの歩道でチラシを配ってる寸志寸を見かけたことも。そんなわけで気になってたんですが、行くタイミングがなかなかなくて。土曜に私が神保町にいるということは、休日出勤しないとまずいくらい仕事が立て込んでるわけで。
そんな中、ようやくこの前の土曜日、すなわち2023年2月11日に行くことができました。この日は午前中が昔のフランス映画見物、そして夕方が日向坂46四期生のイベントということで、綺麗に時間があったのです。
行ってみて分かったんですが、カフェの奥の方のスペースを使って1時間。サクッと終わるのが好感度高し、です。
この日の演目は「やかん」「うどん屋」。
後者は先代柳家小さん師匠の十八番ですよね。
古典落語をきちんと語る寸志さん。好感度高し、でした。
#立川寸志
横山笑吉勉強会で立川吉笑さんの落語を堪能する
会社帰りに、連雀亭へ。
ここ、弊社からギリギリ歩いて行ける距離です。徒歩圏内に、こういう場所があるのがありがたい。
今夜は横山笑吉こと立川吉笑さんの勉強会。
文字通りの勉強会で、固めてる途中の新作だったり久しぶりの演目だったりということが多いのですが、今回は珍しく、自信作がズラリと並びました。
吉笑さんのことだから、この演目にしたのには、何か理由があるのでしょう。私にはわかりませんでしたが。
というわけで、「ぷるぷる」からの「歩馬灯」、「床女坊」、「一人相撲」という四席でした。堪能しました。
「ぷるぷる」は何度聴いたかしら。連雀亭でも聴いてます。骨格がしっかりしてるから、何度聴いても声出して笑ってしまう。「歩馬灯」「床女坊」はどちらも吉笑さんにしか作れない新作落語だと勝手に思ってます。後者の、途中に入るパズルを一瞬で解くシーン、今夜も大受けでした。「一人相撲」はよくできてる噺だなあ。関西出身の吉笑さんだからこそ、という部分もありますし。
横山笑吉勉強会、久しぶりに見ることができました。ここ数回は、別の落語会のチケットを買っていて、行けなかったのですよ。この会、やはり面白い。
#横山笑吉
#立川吉笑
代演の蝶花楼桃花師匠「お見立て」が素晴らしかったのです。
今夜は神保町の奥野かるた店にて、神保町かるた亭でした。
評論家の長井好弘氏プロデュースの会で、春風亭昇也師匠がレギュラー。そこにゲストが加わり、長井氏の解説含め1時間半ほど。会社から歩いて行ける距離で昇也師匠の落語が定期的に聴けるというのが、私にはとてもありがたいです。
今回のゲストは一龍斎貞鏡さんだったんですが、インフルエンザとのことで急遽、蝶花楼桃花師匠に。代演は当人と同格か少し上の人、というのがお約束だそうで、桃花師匠ならば全然問題ありません。もちろん、貞鏡さんの講談も聴きたかったけれど。
で、この桃花師匠の「お見立て」がとてもよかったのです。
この噺に出てくる花魁・喜瀬川がとんでもないやつなんですが、それをあくまでも悪女で、でもどことなく可愛らしく演じてました。これは女性の落語家でないと無理なんじゃないかしら、という気がします。桃花師匠、うすうす気づいてましたが、上手いわあ。
マクラで「お願い❤️」と言うところがあるんですが、これが本編のくすぐりに使われていて、そこもとても良いです。こういう伏線回収的なのが好きなのです、私。
途中からは私、「すごい高座を見てるんじゃないか」と興奮してました。
で、この後が昇也師匠の「胴乱の幸助」。
これがまた面白かった。メリハリが効いていて、脇役一人一人の台詞もおかしく、声に出して何度か笑いました。桃花師匠の高座に刺激を受けての熱演、というのは考えすぎかなあ。
ともあれ、充実の90分でした。こういう落語会が会社の近くにあるというのが、本当にありがたい。
#蝶花楼桃花
#奥野かるた店
#神保町かるた亭