落語の話はどこからでも始まる

定年間近なサラリーマンが落語のことをあれこれ書きます。

立川吉笑春風亭昇咲二人会は楽しすぎる2時間半でした。

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(今回のは長いです)

今夜は、会社帰りに高円寺へ。
「立川吉笑のギミックメイカーズ」を見るためです。

 

落語におけるギミックというのは、吉笑さん独自の表現のようです。ご本人のかつてのブログによれば、

 

ギミック(仕掛け、アイデア、新しい視点、発明性のどれか)

 

とのこと。ストーリー性とか登場人物のキャラクターでなく、ギミックで話を引っ張っていきたい、ということのようです。

 

そんな吉笑さんが、この会について説明している文章もありまして、

 

「高円寺演芸まつり2023の一環で、
春風亭昇咲さんと初めての二人かいを開催します。
現在落語論で自分の作る落語について
「ギミック」という切り口を提示しました。
あれから数年が経ち、
ついに自分と同じ志を持つギミックメイカーが登場しました。
そんな二人の会です。」

 

つまり、昇咲さんは吉笑さんと志を同じくする新作落語の人らしい。これは行くしかないでしょ、というわけです。

 

最初の説明でびっくりしたんですが、1人三席都合六席。それにトークも。濃い落語会だわあ。

 

後半のトークで、吉笑さんの創作ルール的なことがちらっとでてきました。

 

「コントになるものはやらない」
「メタ構造はやらない」

 

前者、新作落語とコントの違いが私にはよく分かってないので正直ピンと来てませんが、吉笑さん(と昇咲さん)には基準のようなものが見えてるのだと思います。

 

後者は、安直に笑いが取れるから嫌だ、ということみたい。特に落語家が主人公のもの。
そんなわけで、昇咲さんの「落語家撲滅法案」には厳し目でした。

 

あと、昇咲さんが始めた勉強会でネタおろしをしなかったことにも、苦言を呈してました。聞き手としてはそういうのが聴けるのも実に面白いんですが、昇咲さんにはなかなかハードな時間だったかも。

 

本日のプログラムと、ギミックを書いておきます。ギミック、私の判断ですので違ってるかもですが。

 

立川吉笑 逸材(○年に1人の逸材、という表現を究める)
春風亭昇咲 素晴らしき日本語の世界(文字が見える世界)
仲入り
昇咲 落語家撲滅法案(タイトル通りです)
吉笑 tion(新型花粉症と体のツボ)
昇咲 ぬ(ぬという一文字が使えない世界)
トーク
吉笑 小人十九(上方言葉と江戸言葉)

 

どの噺も面白かったなあ。「落語家撲滅法案」、私は好きだなあ。

 

昇咲さんにそこそこ厳しいことを言った直後にどんなネタをするのかしら、と思って聴いた「小人十九」。これはかなり面白かったです。やはりすごいわ、吉笑さん。

 

というわけで、気になる噺家さんがまたひとり増えました。昇咲さんの勉強会、行かなくちゃ。

 

#立川吉笑

#春風亭昇咲