落語の話はどこからでも始まる

定年間近なサラリーマンが落語のことをあれこれ書きます。

談春師匠の「これからの芝浜」に本当に驚いた!

f:id:hagihara3845:20221214213725j:image

 

ちょうど1週間前に聴いた、立川談春師匠の「いままでの芝浜」。

 

今夜は「これからの芝浜」を聴きに、有楽町へ。

 

結論から言うと、私たちが知っている芝浜とは、だいぶ違います。

 

文字通り、これからの、談春の、芝浜です。

芝浜のようなもの、というべきかも。改作芝浜、的な。

 

芝浜といえばあのフレーズ。というのがいくつかありますが、それらがことごとく、出てきません。

 

最初、「理屈っぽい主人公だなあ。この調子でずっと行くのかなあ」と思ったのですが、主人公が魚河岸に出かけた直後のおかみさんの独白で、「お、これは面白い!」となりました。

 

そして、かなり速いテンポで大晦日のシーンへ。

 

ん? もう終わるの? というところから、従来のとはだいぶ変わってきます。ま、ここまでもだいぶ違うんですけどね。

 

来年以降もこっちの「芝浜」で行くんでしょうかねえ、談春師匠。だとしたら、いわゆる芝浜の情緒を年末に楽しみたい、というお客さんは困るだろうなあ。

 

でも、この型での芝浜ほ談春師匠にしかできないだろうから、この型を来年以降も続けて、磨き上げてほしい、という気もするのです。

 

来年、どっちの芝浜でいくのか、かなり興味があります。

 

それはともかく。

これからの芝浜の、従来との違いを書いてこさおきます。私自身の備忘録として。これはつまりネタバレなので、そういうのが嫌いな方は、以下、見ないでくださいませ。

 

・主人公は騙されていたことに怒らない。

・主人公はお酒を飲んでしまう。

・年越して正月2日まで描く。

・したがってオチも異なる。

・おかみさんはかつて、女郎だった。

・おかみさんは旦那に嘘をついていることに苦しんでいる。

・そのおかみさんの描写がかなり多い。おかみさん視点の芝浜とも言える。

・大家さんの登場シーンもかなり多い。

 

新しい芝浜の誕生に立ち会えたことが、とても嬉しいです。

 

立川談春

#芝浜