落語の話はどこからでも始まる

定年間近なサラリーマンが落語のことをあれこれ書きます。

深川落語倶楽部って、かつての東横落語会のようだなあ。

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今夜は、錦糸町にて深川落語倶楽部。

 

林家時蔵師匠プロデュースの会でして、

これまでは江戸東京博物館のホールで開催してましたが、現在、江戸東京博物館は改修工事のため、休館中。2025年までって、なかなか長期であります。

 

で、そのため今回から錦糸町(最寄駅は地下鉄住吉駅)のティアラこうとう小ホールに変わりました。

 

私、このホールには初めて行ったんですが、かなりいいなぁと思いました。

 

何より、客席と舞台がびっくりするくらい近い。客席は100ちょっとだと思うのですが、扇形になっていて、どこからでも見やすいと思います。舞台との一体感があるんですよね。

 

出演メンバーもよいですよ。かなりよいです。

時蔵師匠と林家あんこさん親子に、

鯉昇、一之輔、喬太郎師匠。

 

ちなみに次回は6月で、花緑師匠、三三師匠に加え、新真打の桃花師匠も。中入りの時に前売り券を売っていたので、思わず購入しました。

 

なんというか、毎回、豪華なメンバーなんですよね。かつての東横落語会のような感じがします。あの会も、毎回豪華でした。時蔵師匠のお人柄なんだろうなあ。

 

会社からも行きやすいし、ちょっと目が離せません。

 

あ、思いがけず長くなったので、ネタの感想は改めて書きます。

『桂馬の高跳び』のニ代目山陽先生の若旦那ぶりが半端ない

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最近読んだ『桂馬の高跳び』、かなり面白かったです。二代目神田山陽先生の一代記。

 

この方、2000年に亡くなったのですが、私、かろうじて間に合っていて、国立演芸場の舞台を見に行ってます。その時で、80歳は越えていたと思います。

 

二代目山陽といえば今をときめく神田伯山先生の師匠である、神田松鯉先生の師匠。つまり伯山の大師匠です。また、講談界は女性の講談師がかなり多いのですが、それも、山陽先生が女性を弟子にすることに抵抗がなかったからのようです。彼女たちのために「カルメン」「クレオパトラ」などの新作も残しています。

 

というわけで、今の講談界にいろいろな影響を与えている人なんですが、この一代記を読んで驚きました。

 

落語には、若旦那が出てくる噺があります。大きな商家のお坊ちゃんで、親が作った財産を好き勝手に使う。山陽師匠がまさにそんな人なんですよ。

 

夜中、芸者遊びの途中で家に寄り、金庫を開けて札束を掴んで車に戻るという描写が出てきます。他にも、金持ちでなきゃできないでしょ、という道楽を他にもいろいろやってます。

 

そもそも講談との最初の接点も、客として通っていた講談の寄席が潰れないようにスポンサーとなったこと。実家に、よほどお金があったんですねえ。

 

この豪快なお坊ちゃんが、戦後、一気に貧乏になり、講談業界で独自のポジションを得るまでを描いてます。演芸好きにはとても楽しい1冊だと思います。

 

長くなってしまいましたが、最後に、一番驚いたエピソードを書いておきます。

 

講談師となってまだ数年、の話だと思いますが、寄席の親しい女性スタッフに、こんなことを言われます。「近頃よく来る学生が、あんたのことを批評してたわよ。聞いてわかりやすいが、どうも足に乏しいって」


40年後にその学生さんの正体がわかります。若き日の、桂米朝師匠だったそうです。

 

#神田伯山

#神田松鯉

#神田山陽

神田連雀亭で若手3人の高座。五百円でいいんですか!

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神田連雀亭のワンコイン寄席。
文字通り五百円玉1枚で、若手3人の高座を楽しめます。いいんですかね。かなりお得な気がします。

 

お得なんですが、土曜の午前。どのくらいお客さんいるのかしら、と思っていたら、ツバナレしていてちょっと驚きました。土曜の朝なのに。


ときどき聴いているポッドキャストで、声だけは知っていた神田桜子さんの講談を聴けたのが嬉しいことでした。ギリシア戦記のお話。横文字の登場人物しか出てこない(そりゃそうだ)のに、講談の世界になっているのが素晴らしい。

 

調べてみたら、一緒にポッドキャストをやっている春風亭昇輔さんが作った作品とのこと。昇輔さんが桜子さんのために新作講談を作り、桜子さんが昇輔さんのために新作落語を作る。そういうイベントを定期的にやってるそうで、面白いなあ。

 

かしめさんは「熊の皮」。

最近、寄席でも聴く機会が増えたように思います。マクラ、楽しげでした。先輩がいないからのびのびできるのかしら。

(個人の勝手な憶測です)

 

志のぽんさんは「そこつ長屋」。

このネタ、なんとなく大ネタの印象があったんですが(談志師匠の影響かなあ)、実質15分くらいで、いい感じの軽さを感じました。

 

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#神田桜子

#立川かしめ

#立川志のぽん

#神田連雀亭

     

 

秋葉原やきもちの落語会でお座敷遊びを勉強しました。

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昨夜は亀有で「落語と花街艶っぽナイト」を見ました。

 

秋葉原の落語と小料理のお店「やきもち」主催のイベントです。「やきもち」、いいお店なんですよ。美味しいご飯とお酒(私は飲めませんが)を楽しみながら、至近距離で落語が楽しめる。

 

その「やきもち」のイベントと聞いて、参加することに。場内、そんなお客さんが多かったのではないでしょうか。


柳家小里ん、古今亭菊之丞両師匠の落語に加えて、浅草芸者衆の踊り、お座敷遊びのレクチャーがあるという、小粋な2時間とちょっと。

 

菊之丞師匠の「愛宕山」が聴けたのが嬉しい。

ラスト近く、竹を引っ張るシーンが非常にリアルでした。

 

小里ん師匠は「居残り佐平治」。

枕で「おこわにかける」という言葉の説明をきっちりと。オチの伏線ですね。

 

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写真撮影タイム、師匠たちも入っていたのですが、菊之丞師匠の「芸者衆だけの時間も作りましょう」の一言で、女性のみ撮影ということになりました。

 

あ、やきもちの女将がいないや。

 

こういうイベント、またやってくれないかなあ。

 

#古今亭菊之丞

#柳家小里ん

愛宕山

#居残り佐平治

#浅草芸者

#お座敷遊び

「ひらばのひと」が面白い!

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少年ジャンプ連載中の「あかね噺」。

単行本にまとまるのが楽しみです。 

 

演芸をテーマにした漫画には、

「ひらばのひと」もあります。

こちらが描いてるのは、講談の世界。

今、2巻まで出てます。

 

主人公は、前座の泉太郎なのか、

姉弟子の泉花なのか。

表紙は泉花さんですが。

 

講談監修が神田伯山先生で、

それだけで充分話題性がありますが、

毎回読み切りのお話が、とても面白い。

講談世界と登場人物たちの現実世界が微妙にリンクしてまして、

宮藤官九郎氏脚本の「タイガー&ドラゴン」を思い出しました。

あっちは落語家の世界ですけどね。

 

2巻目になって出てきた女子高生が、

お席亭だった女性の孫ということがわかったり、

ずっと登場してなかった兄弟子がようやく登場したりと、連続ドラマとしての面白さもでてきました。

 

泉太郎の高校の同級生、脇屋くんも気になるなあ。

 

第3巻は今年の夏に出るそうです。

半年に1冊の、緩やかなペースです。

 

#ひらばのひと

#神田伯山

#講談

 

 

 

情熱大陸の桂宮治師匠でびっくりしたシーン

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先週4月10日の情熱大陸

録画してたのをようやく見ました。

 

桂宮治師匠の特集。

 

末広亭でトリをとった時の映像も出てきますが、あれはコロナ復帰の初日かしら。

偶然、あの場にいたんですよね、私。

携帯カイロを入り口で師匠からもらいました。

あれはびっくりしたわ。

 

放送の中でちょっとびっくりしたのは、小学校で落語を教えてること。

 

学校寄席とは違うみたいです。

師匠一人だし、太鼓を生徒に叩かせたりしてるし。

 

こういう活動で、落語好きな子が出てきたら嬉しいです。

 

あ、そうそう、若い頃から西荻の喫茶店(?)で勉強会をやってるそうで、これは今も続いているとのこと。

 

行ってみたいけど、すぐに満席になるだろうなあ。

 

#桂宮治

#情熱大陸

 

 

 

江戸家猫八『兵隊暮らしとピカドン』を読む

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江戸家小猫さんが、来年2023年春に猫八を襲名することが発表されましたね。

 

その小猫さんのおじいさん、三代目江戸家猫八さんのご著書『兵隊暮らしとピカドン』を読みました。

 

猫八さんの兵隊時代の話です。

本当にちょっとしたタイミングで死なずにすんだ、そんなシーンが何度か出てきます。

戦争とはそういうものなんでしょう。

 

そして8月6日。広島で被爆

これも、あわや即死だったかも、という状況だったようです。

本書の終わりの方で、量もそんなにはないのですが、強烈な印象を残します。

 

戦後、テレビや寄席で活躍されますが、

体調不良でご苦労されたとのこと。

(という話まではこの本には出てきませんが)

 

古川ロッパ氏との手紙のやりとりが出てきて、師弟愛を感じます。

 

江戸家猫八