兼好師匠、笑点に出ないってよ。
タイトルはもちろん、『桐島、部活やめるってよ』のオマージュです。(バクリとも言う)
その話は後で書くとして、今夜は人形町の三遊亭兼好師匠独演会「噺し問屋」でした。師匠は「近日息子」「徂徠豆腐」の2席。「徂徠豆腐」は昨夜講談で聴いたばかりですが(神田愛山先生!)、だいぶ印象が異なります。大いに笑ったなあ。そしておからが食べたくなりました。それでいて「情けは人の為ならず」という言葉の本来の意味をじんわり噛み締めることになる後味の良さ。師匠って、緩急自在だなあ。
「近日息子」も、「正月にやるネタじゃなかったなあ」とぼやきながら、時々ブラックな笑いも入れながらの熱演でした。正月から大満足でした。
ところでこの会、前座さんの前に兼好師匠が出てきて、トークという名の立ち噺があるのです。マクラを独立させたよう、と申しましょうか。
前回から日がないので面白い話なんてないですよ、と言いながら、駒大駅伝部の監督とのエピソードを面白く話してくれました。
そのトークの最後に、「笑点」の話になりまして。私もネットニュースで見ましたが、円楽師匠がご自身の後釜として、兼好師匠と萬橘師匠を指名している、番組プロデューサーは人気落語家を新レギュラーにするか、円楽師匠との義理を尊重するかで悩んでいる、という記事。
そのことをさっと説明したうえで、
「私と萬橘は義理なんですって」
「頼まれても笑点には出ません」
というのが、トークそのもののオチでした。
と、ここまで宣言して、兼好師匠が新レギュラーだったら、その演技力に驚きますよ。まあ、私も円楽一門ではないだろうなあ、と思っておりますが、その辺の話は日を改めて。
とにかく、兼好師匠の独演会は楽しい!
という2時間でした。